2008年8月27日付で、晴れて学士(看護学)の学位が取得できたわけですが、その後についてご報告いたします。
結論から言いますと、今勤務している病院での職員としての扱い(俸給表)は、一切変わらず。つまりこれまでと同じ看護専門学校(3年制)卒の看護師としての身分で、「大卒扱い」とはなりませんでした。
そうした結論に至るまでの経緯を書きますと、、、
学位授与機構から学位記が届いた翌日、私はすぐに報告書を作成しました。学位記のコピーと学位授与機構のパンフレットを添えて、看護部長宛と職員課長宛に二通同じものを用意して、直属の師長を通して提出しました。
そして、その結果を師長から聞いたわけですが、まず看護部長の対応。これはひどいです。
話を聞いて、レポートをパラパラッと見て「ふぅーん」と言って、レポートを師長に突き返したそうです。「私には関係ないから、、、」と。つまり受け取り拒否です。
その心はよくわかりませんが、とにかく「無視」というのが看護部長の反応でした。
次に職員課長の反応。「へぇ、働きながらすごいね」と好意的に受け取ってくれたのですが、「職員としての扱い変更は難しいなぁ、、、」と。
後日、直接職員課長から呼ばれて面談をしてきました。
そこで分かった事実がいろいろとあります。
私の勤務する病院の就職案内や看護職員募集要項には次のような給与の区分が載っています。
・助産師(1年課程卒)
・看護師(大学卒)
・看護師(3年課程卒)
・看護師(2年課程卒)
・(准看護師は今は募集していないの記載なし)
しかし、面談の時に職員課長に見せてもらった就業規定の中では、まったく違うことが書かれていてビックリ。どういうことかというと、当院では看護師の四年制大学卒業という職員区分はなく、違いは「看護師」か「保健師・助産師」かということだったのです。
つまり、本当の就業区分は、
・保健師・助産師
・看護師(3年課程・4年課程)
・看護師(2年課程卒)
ということが判明。
4年制の看護大学を卒業しても、保健師国家資格を持っていない人は3年課程看護師と同じ扱い。ですから大学を出たかどうかは関係なく、単純に免許での区分になっていたのです。(ただしこの理屈では2年課程の看護師の人が初任給が低いことは説明できませんが)
ですから、いくら看護学士を取得しようと、保健師を取らないかぎり、給料は変わらないという理屈。
もちろんこの先、修士を取ったとしても職員的には待遇はなにも変わりなし。
これが今回の私の学士(看護学)取得計画の最終的な結末です。
もちろん今書いたことは私が勤務する病院でのケースです。
各勤務先の就業規則でどう規定されているかによります。
就業規則で本当に「大卒」という区分があるなら、適正に判断されれば学位授与機構の学士(看護学)で大卒扱いになるでしょう。
もしこれを認めない、つまり下記のような場合ですが、
> 学歴とは、大学という機関に入学し卒業したという経歴。
> 学士とは所定の単位を履修したという称号。
> 学士を取得しても、学歴が伴っていないから、大卒扱いには
> 変更しない、ということがあるそうなのです
> (学士を取得するだけでは、履歴書に「〜大学卒業」とは書けないので)。
> これはどうなのでしょうか・・・
これは時代背景を理解していない人事担当者の誤解ですから、根拠をもって示せば覆る可能性があります。
その根拠となる強力な武器が、学位授与機構が発行している「大学評価・学位授与機構から授与される学位を広く理解して頂くために」というパンフレットです。
『
学評価・学位授与機構から授与される学位を広く理解して頂くために』 (PDF:836KB)
このパンフレットは、まさに病院の人事担当者向けに書かれたようなもので、学位授与機構が認定する学位の法的根拠等が丁寧に説明されています。
(例)
『上記の学校教育法から明らかなように、機構が授与する「学士の学位」は大学卒業者に与えられる「学士の学位」と同じものであり、人事院規則においても、教育職員免許法においても、大学卒と同等に取り扱うことが定められています。』
『機構で学士を取得された方々は、履歴書等の学歴欄には、つぎのように記入することを勧めています。「○年○月 学士(○○)の学位取得 独立行政法人大学評価・学位授与機構」』
実際に同じ日に学士(看護学)を取得した私の友人は、4月に転職が決まっていますが、転職先では大卒の給与扱いになることをきちんと確認したうえで転職を決めたそうです。
結局は病院の就業規則でどういう区分になっているか、学歴か、国家資格か、によって運命は分かれますので、このあたりは病院の人事担当者に納得いくまで確認することをお勧めします。
もし就業規則の文書上で明確になっていなければ、勝算ありです。
そこは皆さんのがんばり次第。
私の場合は、残念ながら、次の転職先に掛けたいと思います。