言えることは、看護師免許を持っていて、特定行為研修を終えた立場であるということだけです。それはどちらも同じ。
特定看護師より上位の立場が診療看護師というイメージがあります。それはある意味、正しいと言えますが、厳密には違います。
ここは両者の成り立ちの経緯を正しく知らないとなかなか理解しづらいのですが、簡単に言えば、日本での診療看護師というのは、現時点ではただの民間資格です。法的根拠はありません。
それに対して、特定看護師(法律的にはこういう呼称はなく、特定行為研修を修了した看護師という言い方になります)は、保助看法に規定された立場。(一応言っておくと、「資格」ではないです)
それぞれの設立時の理念や教育内容やレベルは別として、この両者の特権性は、特定行為と呼ばれる医療処置を「手順書」に沿って行えるというところにあります。これはまったく変わりません。この点で言えば、法律的にできることはまったく同じなのです。
診療看護師はもともとは米国のナース・プラクティショナー相当のものを日本に導入することを目的に、特定行為研修が作られる前から教育が始まっていました。ここからすると、手順書に限らず、医学的な判断で医療処置を行える看護師育成を目指しているという点では、今の特定看護師とは明らかにゴール地点が異なっています。
しかし、今の法律がそれは許していないため、実質的には特定看護師レベルのことしかできない、というのが現実。
実力や教育レベルという点では、明らかに診療看護師が上なのですが、そうはできないジレンマ。
そんなところにいるのが、いまの看護の現状です。