2007年03月06日

高校生でもなれる!? AHA-BLSインストラクター(米国心臓協会)

わかる人にしかわからない話題で恐縮ですが、いま私が取り組んでいるアメリカ心臓協会 (AHA:American Heart Association) のBLSインストラクター認定資格絡みの話題をひとつ。オペ室看護とはまったく関係ない話ですので、興味がない方はスルーしちゃってくださいね。

◆ 意外と知られていないアメリカ心臓協会AHAの実際

前回、アメリカ心臓協会AHAのBLSインストラクターコースの受講が決まったという話を書きました。AHA公認のインストラクターになるからには、母体であるアメリカ心臓協会とはなんなのか、きちんと知っていなくては、と思い、インストラクター・マニュアルとは別にあれこれ勉強しているところです。

アメリカ心臓協会とはその名のとおり、アメリカに母体をおく学術団体(学会?)です。心肺蘇生の国際ガイドラインの制定に主導的に関わっていたり、世界中で心肺蘇生教育活動を展開している世界最大規模の学術団体なのですが、日本にAHAの教育プログラムが正式に入ってきたのは2003年と、実はかなり最近のこと。

そんなこともあって、アメリカ心臓協会(AHA)という組織に関する日本語での情報はかなり限られています。ACLSとかBLSなどのプロバイダーレベルの話であればしっかり本にもなっているのですが、インストラクターに関する情報や組織に関してはネット上でも日本ACLS協会のウェブサイトに載っているのが、おそらく日本語唯一の情報源なんじゃないでしょうか。

私も最初は日本語情報しか見ていなかったので、それがAHAの方針なんだと思っていましたが、どうもアメリカ本国のAHA公式ウェブを見てみると感じる印象がぜんぜん違うんですよね。もしかして日本のAHAとアメリカ本国のAHAは違う....? そんな気すらしてきました。

例えば日本では BLS for Healthcare Provider コースを受講できるのは、「医師、看護師、救急救命士、その他コメディカル」となっています。でもアメリカ心臓協会の規約を読むと、実は受講条件なんてことはどこにも書かれていないんですね。しかもインストラクターの条件としてはプロバイダー資格を持っていることと、16歳以上が好ましいと書かれているだけ。なんじゃそれ? と思いません? アメリカでは医療資格の有無なんてレベルではなく、高校生であってもAHAインストラクターになれちゃうってこと??

【Instructor Courses】
An AHA Instructor Course is designed to teach the methods needed to effectively instruct others in resuscitation courses. The AHA recommends that Instructors be at least 16 years of age.

【Instructor Course Prerequisites】
All prospective participants in an Instructor Course must have current Provider status in the discipline the candidate wishes to teach.




実際、アメリカでBLSインストラクターをやっている人の大半は非医療従事者だとか。まあ、あちらでは職業的にBLS講習を定期的に受けないと仕事を続けられない職種がたくさんありますから、BLS講習がビジネスとして確立しているということも関係しているのだと思いますが。

少なくとも受講生(プロバイダー)もインストラクターもみんな医療有資格者ばかりというのは日本だけのことみたいですよ。

◆ 日本ACLS協会≠AHA日本支部

2007年3月現在、日本でアメリカ心臓協会AHAと契約を結んで、AHA公式コースを開催できる団体(AHAカードを発行できる団体)は実は4つあります。

・日本ACLS協会
・日本蘇生協議会
・日本循環器学会
・日本小児集中治療研究会

以前は実質上、日本ACLS協会の独占でしたので、日本では「AHA=日本ACLS協会」という暗黙の図式ができていましたが、実はそうではなかったんですね。

私も以前は日本ACLS協会がアメリカ心臓協会の日本支部だと信じていました。だから以前からあった「USカードグループ」などと呼ばれている日本ACLS協会以外にAHAカードを発行できるグループや、日本ACLS協会は手がけていない小児専門の二次救命処置PALSコースを開催する日本小児集中治療研究会の存在が不思議でなりませんでした。

でも、アメリカ本国の規定を読んでわかるのは、AHAのトレーニングセンターの設置条件は比較的緩やか。一国一団体みたいなきっちりとした体系的なものではないんですね。条件さえ整えれば誰でも新しいトレーニングセンターを開設できるし、日本ACLS協会のその数ある中のひとつということです。

ちらっと話に出た「USカードグループ」というのは、アメリカのAHAトレーニングセンターに登録している日本人インストラクターたちが海外から日本へ出張してきたような形でAHA公式コースを開催、カードを発行しているという団体です。例えば 福井BLS というグループの公募を見ると、AHAのBLSコースなのに受講者の制限が一切ないと書かれています。「職業にかわらず,どなたでも受講していただけます.HPを検索しますと,BLSの講習は医師や歯科医師,看護師などが対象という記載をみることがありますが,それは過ちです.どなたでも受講できます.」だそうです。

日本ACLS協会のアメリカ心臓協会AHAコースに関する規約を読むかぎり、かなり制約が多いような印象を受けますが、実は国際組織としてのAHA自体はずっとずっとフレキシブルな組織で、制約が多いのは日本ACLS協会のローカルルールの方だったというのが現実のようです。

アメリカ心臓協会の公式ウェブからの情報を直に読んでみると、びっくりすることがたくさん書かれていてホントおもしろかったです。



かなりディープな、というかマニアックな話になってしまいましたね(^^;
きっと日本のこれまでのAHA事情を知っている人にとっては、かなり目から鱗的な話だったと思うのですが、いかがだったでしょうか?

興味がなかった人にはごめんなさい。
でもしばらくはこんな話が続いちゃうかも。
posted by Metzenbaum at 23:01 | Comment(33) | TrackBack(0) | 救急蘇生 (BLS、ACLS)
この記事へのコメント
興味深く読ませていただきました。
私も来月、選考に通ればBLSのHCPコースを受講します。
アメリカでは、応急手当を教える会社があるというのは以前から知ってましたが、Metzenbaumさんのコメントを見て改めてびっくりしました。日本は、消防と日赤が中心になって普及啓発してますが、ビジネスとしてやってるわけではないですし。

Posted by なお at 2007年03月07日 14:17
なおさん、こんばんは。
なおさんはmixiでおなじみのあのなおさんですよね?

ビジネスとしての救急法、日本でもだいぶメジャーになってきたと思いますよ。もう10年以上(?)前ですけど、日本にメディック・ファーストエイド(MFA)というアメリカのファーストエイド普及団体が入ってきたときには、消防や日赤が無料でやっているところに1万円以上のお金を取ってビジネスとして教えるなんてことが普及するのかなと思いましたが、今でも事業拡大していますよね。その他、アメリカ産の応急手当講習会社が今ではいくつもあります。まあ、だいたいはダイビング業界を軸にして伸びてきたような感じではありますが。(ダイビングの上級ライセンスを取るには○○のファーストエイド認定を取っていなくてはいけない、みたいな)

私の印象では、アメリカのAHAはMFAなどと同様、数ある民間救急法普及団体のひとつ、という感じがしています。実際AHAの運営基準を見ると、他団体の発行カードとの互換性みたいなことも書かれていました。(詳しくはまだ読み込んでいませんが)

日本ではすっかりAHAの権威性が確立している感がありますが、今後はアメリカ並に庶民的になっていくのかなぁという気もしています。
Posted by 管理人Metzenbaum at 2007年03月07日 23:48
 はじめまして.福井BLSのWeb管理者です.当方のHPをご紹介いただき,ありがとうございます.

 私は一次救命処置(BLS)の指導資格として,リアクトライト,MFA,AHAの3団体のインストラクターを持っていて,福井BLSのHPの管理をしています.

 “高校生でもなれる!?AHA-BLSインストラクター(米国心臓協会)”と有りますが,実際に16才でインストラクターになった方がいらっしゃいます.そして医師,看護師など医療資格者相手にコースを開催しているそうです.すごいですよね.

 BLS-HCPコースも,他の団体では医療資格者に限ったり,医師看護師を優先して学生の受講機会がなかったりしますが,当方ではそのような制限はしていません.
 
 ダイビングのライセンスの話がありましたが,ダイビングの指導団体によっても違います.私はSSIのインストラクターですが,オープンウォーターダイバーインストラクターの他にストレスアンドレスキューダイバーインストラクターと,リアクトライトインストラクターが必須となっています.受講者レベルでなく,インストラクターレベルを要求されています.PADIではまた違うようですが.

 これからもいろいろな情報を発信していただけると助かります.AHAやMFA以外にもBLS指導団体が増えて,多くの人がBLS受講に関心を持っていただけると良いと思います.今後ともよろしくお願いいたします.
 

 
Posted by mimimi at 2007年03月08日 09:48
mixiでおなじみのなおです。
久々の投稿でしたので忘れられてしまって悲しいですよぉ(泣)
Posted by なお at 2007年03月08日 22:03
mimimiさん、こんばんは。このブログを運営しているめっつぇんばーむといいます。リンクさせてもらった件、ご連絡をしようと思っていたのですが、出遅れてしまいました。申しわけありません。

福井BLSのことは以前から知っていたのですが、当時はAHA=日本ACLS協会だと信じ切っていましたので、イマイチその活動が理解できなかったんです。でも最近、AHAのオリジナル文書に目を通すようになってようやく事態が理解できるようになってきた感じでいます。

アメリカでもmilitary training centerがあったり、企業のトレーニングセンターがあったりするように、独自の基準を定めるのはいいとは思うのですが、日本の場合、それが事実上独占で、AHAの基準と独自の基準がごちゃ混ぜになってしまっているのはどうなのかなという気はしています。JRC−ITCとJSC−ITCが新たにできたことで、今後この業界がどう変っていくのかなという動向に今後興味深く見守っていきたいと思っています。

実際に16歳でインストラクターというパターン、実際にあるんですね! AHAのPAMを見るかぎりは16歳以上を勧めるとはありますがダメとは書いてませんよね? 日本だととかく権威主義と絡められている感じがしますが、教えることと実体験は別問題だということなんだと思います。見栄を捨てた合理的な考え、私は好きですね。

あいにく貴サイトとは遠く離れた地に住んでいるため、直接お手伝いできることはないかもしれませんが、ウェブ上では福井BLSの活動をお手伝いできればと思っています。医療者が前提となるとHCP+ACLSとなってしまいがちですが、実際のところ重要なのは市民向けのハートセイバーコースだったりファーストエイドですよね。数少ない市民向けAHAコースを開催するグループということで応援していきたいと思っています。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by 管理人 at 2007年03月09日 01:02
なおさん、こんばんは。
いや〜、別に忘れたわけじゃないんですよ(^^ゞ

失礼ではありますが、なおさんってありがちなお名前で男性でも女性でも通じる名前なので、別のなおさんかも? と思ってしまったというだけなんです。

それで念のため、あんな風に書かせていただいたというだけでして。しっかりなおさんのキャラクター(?)はインプットされていますので、どうぞご安心を!
Posted by 管理人 at 2007年03月09日 01:05
わたしは循環器/救急病棟で働く看護師です。
ながさきACLS協会のスタッフで、JPTECのプレインストラクターです。
うちのサイトでも医療従事者ではない方のプロバイダーが数名いらっしゃいますよ。さすがにインストラクターはまだいませんが。
長崎では、県民4人にひとりを救急蘇生法受講者にするというのが目標で(それくらいバイスタンダーが増えると救命率が上がりだしますから)まずHS-AEDコースをコンスタントに開きたいと思って活動しています。
うちの長男は中学2年生(14歳)ですが、HS-AED受講済みで、高校生になったらBLSを受講させようと思っています。
・・・負けず嫌いの次男(小学5年生・11歳)からは救急救命士になる!! と言う言葉まで飛び出しました。
Posted by nori_co at 2007年03月10日 14:56
nori_coさん、こんばんは。ながさきACLS協会ですばらしい活動をしているんですね。

HS-AEDのカードを実は私、G2000とG2005の2枚持っているんですが、コース開催数は全国的に見て少ないですよね。聞くところによると医師にACLSを広めるのが当座の目的で、そのためにHCPコースはバンバン開かれる。よってHSは二の次になってしまう、というような事情もあるそうです。

そんな中、市民向けのHSコースを定期的に開いていくというのは意味があると思います。コアなACLSができる医者を広めるより、きっと市民向けにCPRを広めて裾野を広くするほうが、きっと地域の救命率は上がりますよね。長崎は先進的な取り組みをしているんだなと思いました。

息子さん、頼もしいですね(^^)
Posted by 管理人 at 2007年03月11日 00:14
長崎県民150万の25%に救命法普及ということになると、単純計算で 6人にインスト1人で講習会やってものべ6万人回のHS担当インストラクターが必要です。更新講習も入れたらもっと必要。

どう考えても救急医療関係者だけでカバーできるわけはありません。やはり普及率を上げようとすると一般市民からインストになるコースがないと無理な気がします。
Posted by santa at 2007年03月11日 00:42
santaさん、こんばんは。BLSはAHAのHealthcare Providerコースにしても基本的にはBLSですので、バックマスクを使うにしても医療資格は関係ない、つまり医療従事者に限定する必要はぜんぜんないんですよね。現実問題、医療資格者であっても心マやマスク換気を実践で一度もやったことがない人が平気でインストラクターをやっているわけですし、それだったら市民が教えても同じ。要は技術伝達なわけですから。ただ医療従事者相手に素人が教えるとなると、いざ突っ込んだ質問をされたときにどうするのかなぁという疑問は残りますが。HSインストラクターは、どう考えても医療従事者である必要はありません。本当に地域の救命率ということを考えたら、HSコースとHSインストラクターコースをジャンジャン開くべきでしょうね。ただ日本で障害になるのは英語の壁。受講生用テキストもDVD教材もインストラクターマニュアルも全部英語。テキストとDVDくらいは時間が経てば日本語版がでると思いますが、つぎのガイドライン改定のときは、またしばらく英語の世界に戻ってしまいます。このあたりも問題ですよね。

まあ実際のところ、日本ではアメリカと違って消防や日赤ベースでほぼ無料の市民向けコースがありますので、AHAは専門家向けというように棲み分けをするというのも理解できなくはないです。以上、santaさんのコメントを読ませてもらっての私見でした。
Posted by 管理人 at 2007年03月11日 01:05
BLSのプロトコルの背後にあるサイエンスの部分は、分からなかったら調べて(TC等に聞いて)答えるってのが AHAの方針ですから、何か難しいことを聞かれて即答できなかったからインスト失格というわけじゃないでしょう。長くやっていればよく出る質問は段々カバーできるようになるでしょうし。

それより大事なことは、決まったBLSのプロトコルを教える程度のために救急の専門家を煩わせる無駄を排除することじゃないかと私は思ってます。稀少な専門家には専門家しかできない仕事をお願いして、一般市民でできることは一般市民がやるという方向でいかないと量がこなせません。

消防や日赤の講習会は安くていいんですが、本業じゃないので定員/開講が少ないのが難。志の高い人が受けに行く程度ならともかく、地域で AEDを配備した学校の全教職員に講習なんてことをやろうとすると難しいんじゃないでしょうか。

テキストについては AHAのコースを使う限りは致し方ないところですね。日本ですごく沢山テキストが売れる(コースが開講される)ということなら日本語版に AHAが積極的になるかもしれませんが、今のところちょっとしか売れないわけですし。
Posted by santa at 2007年03月11日 21:18
santaさんの「決まったBLSのプロトコルを教える程度のために救急の専門家を煩わせる無駄を排除することじゃないか」という御意見にまったくもって同感です。ただ、BLS for HCPコースは医療従事者優先で、HSコースはほとんど開催せず、HSインストラクターを養成してこなかったのは、日本ACLS協会の方針。あくまでACLSを普及させるのが主目的なんですよね、きっと。つまり医療者のスキルアップが目的であって、BLSはおまけみたいな位置づけというか、本当に地域(日本)の救命率を上げたいと考えたなら、医療者教育より市民教育のほうが重要というのはわかりきっていることなのに。まあ、いろいろ戦略があるんでしょうけど、それが今まで日本で展開されてきた日本ACLS協会によるAHA教育の現実なんだと思います。

> 消防や日赤の講習会は安くていいんですが、本業じゃないので定員/開講が少ないのが難。

そうですか? 日本でいちばん受講者が多いCPR講習は消防で、その次が日赤ですよ!? AHAみたいな少人数制を謳っていませんし、現時点で裾野を拡げる役割を担えるとしたら消防と日赤以外ないと私は考えています。

ところでsantaさんはどんなバックグラウンドを持つ方なんでしょうか? 簡単な自己紹介をいただけると、お返事しやすいのですが。。。唐突な書き込みでしたので、ちょっと戸惑っています(^^ゞ
Posted by 管理人 at 2007年03月11日 22:16
確かに一般市民向けのコースでは専門家は必要ないのかもしれませんね。
日本ACLS協会は医療従事者のコースを優先しているわけではないのですが、実際のところ、医療従事者でも十分に一次救命を行うことができていないのが日本の現状ですよ。ですから、まず医療従事者にはしっかり一次救命を覚えてほしいというようなことがあったのかもしれません。それに、一次救命処置が救命の要って考え方、最近までなかったのですよ残念ながら。除細動と素早いACLS(二次救命処置)でこそ救命はできるという風潮があったわけです。ですから日本ACLS協会ではまず医師のACLS受講を優先させてしまいました。我々看護師でさえACLSコースの受講は昨年まで認められていなかったんですから。
G2005になってから質の高いBLSがあってこそ初めて救命ができるという考え方に変わってきました。それはアメリカも同じなんですが、欧米諸国では元々教育の中に救急蘇生法は取り入れられていて、義務教育の中でもしっかり教えられていくものでした。日本はそうではありませんよね。そもそもそこから違うのですから、市民の中に救急蘇生を普及させていくのは大変だと思います。
HS-AEDコースに関しては、登録料の問題とインスト確保の問題、それに一般市民に対しては受講料が高いのではないか・・・・等々の問題でコース自体をやっていないサイトの方が多いんですよ。それでは地域の救命率は上がりませんよね。

わたしたちが消防や日赤の講習会では不十分だと思うのは、やはり質の保証ができにくいということ。消防の普通救命講習会にお手伝いで参加したことがありますが、やはり自信を持って救急蘇生ができるレベルまで引き上げきれていないようです。AHAは確実に質の高い=実際に救命できるレベルを目指しています。でもそれはなかなか大変で、実際には私たちも赤字スレスレでやってるんですよ。

長崎では、昨年の9月に100人規模のマストレーニングを行いました。今年も早ければ5月に開催予定です。
わたしたちが理想とすることは底辺を広げつつ、一方では質の高い救急蘇生を広めることです。
Posted by nori_co at 2007年03月12日 03:03
BLSの裾野を広げるためには消防や日赤の善意の講習だけでは無理ってことです。あの値段ではインストがボランティアで無給としても、消耗品とハンドリングコストがまるまる赤字でしょう。インストをどんどん増やす仕組もありませんし、そもそも持ち出しで運用しているわけですから予算からもニーズがあるからといって開講数は増やせません。

# 内容については、他組織の指導方針をとやかく言うことが私の所属組織のガイドラインで禁止されてるのでパス。

インストはボランティアに期待するにしても、開講に伴う会場費、消耗品とハンドリングコストくらいは取らないと。数増やすって、そういうところの銭勘定も大事です。
Posted by santa at 2007年03月12日 07:22
nori_coさん、こんばんは。考えてみれば、いまではいろんな救命講習があって選ぶことができるというのは、恵まれているってことなんでしょうね。無料のコースから2万円近くする本格的なコースまで。職業的に必要としているとか、意識が高い人なら相応のお金を出して確実なものを得たいと考えるのでしょうけど、そもそも個人的なモチベーションがない人に対して、どう最初のアプローチするかが大きな問題になると思います。いきなり2万円のコースを提示してもうなずくはずはありません。そういった意味で、ごく一般的な市民が抵抗なく受けられるコース、多少質はおおざっぱであっても、と思うのです。

そこで関心を持ってもらったら、あとは質の高いコースという選択肢もあるわけですから。つまり結論的にはnori_coさんとまったく同じですね。「底辺を広げつつ、一方では質の高い救急蘇生を広める」底辺をひろげるという点では、消防なり日赤なりの活動ベースがいちばん力が強いはず。日赤あたりではガイドライン2005対応として大幅なプログラム改変を行なっているようです。そこに期待したいと私は個人的に思っています。

あ、それとnori_coさん、ACLSコースって看護師は受けられなかったんですか? 私、2004年の暮れにふつうに申し込んで受講できました。もしかしたらACLSインストのことなのかなぁと思いました。

santaさん、私は日赤の内部事情はわかりませんが、日赤の体質からすると、寄附金で賄えていればいいんじゃないでしょうか? 救急法講習が独立採算でやっているわけではないでしょうし、企業からの寄附金なり血液事業など利潤があるところからまわせばいいだけで。大きな事業の中の一部門ですから、ビジネスや独立採算の枠で考える民間蘇生普及団体と同列に考えなくてもよいのでは??
Posted by 管理人Metzenbaum at 2007年03月13日 00:02
おはようございます.

>まあ実際のところ、日本ではアメリカと違って消防や日赤ベースでほぼ無料の市民向けコースがありますので、AHAは専門家向けというように棲み分けをするというのも理解できなくはないです。

 消防の方にお話を聞きますと,講習を行うに当たって基準,決められた資料などは何もないそうです.よって,ガイドラインの変わったこの時期,署や講習をする人によって内容が全然違うのだとか.先日運転免許の書き換えに行きましたが,配付された資料の救命処置法は2000のままでした.行政のする事は,何かと遅く,嗜眠の事を余り考えていないようです.
 医療資格者とそうでない人で講習の棲み分けをするのもあるかもしれませんが,出来れば有料の講習の方がお勧めと感じます.

>あ、それとnori_coさん、ACLSコースって看護師は受けられなかったんですか? 私、2004年の暮れにふつうに申し込んで受講できました。もしかしたらACLSインストのことなのかなぁと思いました。

 サイトによって基準が大きく違うのかもしれませんね.私の知り合いも名古屋のサイトで受講されましたが,申し込み順ではなく職業や勤務先で優先順位がついてしまうとか.

 ACLSの受講は2005ですか?いまだに2000でしているサイトがあると聞きましたが単なる噂でしょうか?
Posted by mimimi at 2007年03月13日 11:09
こんばんは。
サイトによっていろんな事情があるのでしょうが、長崎ではAHAのACLSコースは医師優先でした。コメディカルが受講できるようになったのは2005年の6月からです。
ACLSのG2005はワークショップを受けないとインストできないという制約があるため、おそらく今月くらいまではG2000コースの中にG2005の変更点を加えるという形で行うG2000のコースがあるように聞いています。
一定のレベルのコースにするためには準備が必要ということでしょうか。


>消防の方にお話を聞きますと,講習を行うに当たって基準,決められた資料などは何もないそうです.

・・・・うちの病院で患者さんの家族を対象に普通救命講習を行ってもらったときには、消防で使っている普通救命講習のテキストと、AEDのテキストを持ってきてくださいましたよ。一応基準もあるようです。AHAほど厳密ではありませんが。
Posted by nori_co at 2007年03月13日 23:02
mimimiさん、nori_coさん。私が受けたACLSコースは2004年ですので、当然G2000バージョンです。もうすっかり失効してしまったので今持っているBLSカードが有効なうちにG2005バージョンで受け直さなくちゃと思ってます。年内には日本語版テキストも出るみたいですので、いまはもうちょっと待ちかな。ということであまり現状について詳しくは調べていないのでわかりません。アメリカ本国でG2000指導が禁止されても、言葉の関係で情報ソースが行き届きにくい諸外国の事情はわからなくもないんですけどね。

消防の場合は、自治体単位ですので、内容や対応はマチマチという話は聞きます。日赤は日本全国規模だけど指導員によってばらつきが多いとか。そういえば私もちょっとまえに免許の書き換えに行きましたが、やっぱり内容はG2000でした。新ガイドラインいついてのアナウンスくらいあるかなと思ったけど皆無。質問してやろうかと思いましたが、やめておきました(^^)
Posted by 管理人 at 2007年03月14日 00:44
東京消防庁(東京救急協会)の普通救命講習だと小冊子としてまとめたテキスト使ってました。大昔に受講したときの話ですけど。最近はビデオも作ってるはずです。

インストによる指導レベルの差を減らすためには、ビデオの利用がいいってことなんでしょうね。
Posted by santa at 2007年03月14日 10:00
指導員によるばらつきをなくすためにビデオ学習が効果的というデータはガイドライン2000の段階ではっきりと打ち出されていたはずです。

日本の大手普及団体もその規模からすると自前のビデオを作るくらいわけないと思うのですが、なぜか旧来からのワンマン指導を捨てきれずに今日まできているのが現状。それはガイドライン2005になっても継続されるんでしょうね。その辺に、本気度が見え隠れしている気がするのは私だけでしょうか?(具体的な団体名を出すことは控えますが)
Posted by 管理人 at 2007年03月14日 23:39
nori_co様
santa様
管理人様

 いろいろと貴重な情報,ありがとうございます.消防の方々の講習も,地域によって基準がしっかりしているのですね.こちらの消防の方は,資料は自分で作る.会場へのガソリン代も自前...と嘆いていらっしゃいました.大変な仕事だと思います.

 福井でのACLSは2005で2回行いました.私自身は2000で受講したカードのままで,今は自分で教科書読んで勉強して,2005の講習を見学しただけです.2005で受講したいのですが,お金が...講習って,する方も受ける方も大変ですね.
Posted by mimimi at 2007年03月15日 06:32
mimimiさん、消防の講習は中央省庁である自治省(消防庁?)のほうで、上級、普通講習を分けることとか、普及員についてなど、ある程度のガイドラインは出しているはずです。それがどの程度のものなのか、指導方法に関する基準も出しているか、など具体的なことはわかりませんが、地域によってそんなにまでばらつきがあるというと、各自治体への自由裁量が多いんでしょうね。

大きな地域の消防組織であれば広報などマンパワーがあるでしょうけど、町とか町単位の組織ではふだんの業務だけで手一杯でしょうし。難しいですね。
Posted by 管理人 at 2007年03月17日 11:35
そういえば、アメリカでは医療機関から給料を貰う人は BLS for HCPを持ってないとダメって話でした。たとえ守衛でも掃除のおばちゃんでも。

G2000のころのHCPのビデオに、掃除のおばちゃんが倒れた人にAED使ってる映像があったけど、あれは理想じゃなくて実際にあり得ることだったと今頃納得。
Posted by santa at 2007年03月18日 21:31
アメリカでは有効なCPR修了証がないと修業できない職業が多いとは聞きますが、「医療機関からの給料」というくらいに幅広いんですね。

去年あたりから私の病院でも救命講習をはじめたのですが(私も立ち上げスタッフのひとりです)、いちおう院内全スタッフを目標にしています。事務員さんはもちろん、外部委託の清掃員、派遣スタッフ、売店・食堂・理髪店の店員も含めて。

町中で倒れたら、急いで病院へはこべ!ってイメージがあるじゃないですか。つまり病院は安全な場所のはずなのに、そんな病院で急変して間に合いませんでしたというのは、非常に恥ずかしいことだと思うんです。たまたまその場に医師がいませんでしたとか、そんなことは言えない時代になっています。だからこそ、どんな職種であれ病院で働いているからには絶対にできなければいけないスキルだと私は考えています。そんな考えが病院全体のモットーとして浸透してくれたらなと、日々PRの方法を考えているところです。
Posted by 管理人 at 2007年03月22日 12:07
お久しぶりです。私も去年の秋にBLS for HCP の更新をしてきました。はじめての講習のときは看護学生のみでなく ジムのインストラクターやベビーシッターの人もいましたが、更新時の講習では医師、看護師しかいませんでした。
BLS for HCPは基本的には医療従事者のみ受講できますが、受講の目的のところに自己申告なので仮にうそを書いたとしても 確認されることはありません。
それから、病院関係では看護助手はCPRの資格は要りませんし、歯科医院に至っては歯科助手はCPRの資格を持っている人のほうが珍しいと思います。
私はある病院で開催されるコースに行ったのですが、そのときのインストラクターがとてもわかりやすく教えてくれるので、更新に来ていた看護師達がうちのクリニックでやってくれるか?と引っ張りだこでした。
Posted by CRNA at 2007年03月26日 09:27
すみません、上はアメリカ東海岸でのことです。 州によってもまた違ってくるかもしれません。
Posted by CRNA at 2007年03月26日 09:29
CRNAさん、おひさしぶりです。「アメリカでは、」と私もくくって書いてしまいましたが、考えてみればアメリカは合州国。看護師免許も州によって違うんですよね。それを考えれば事情も地域でぜんぜん違うのかも知れませんね。

観光に力を入れているハワイ州では観光業者はすべて、一般企業にしても50人以上だったかな、あるい程度の規模以上の企業には、CPR修了カード保持者が必要と定められているとか。
Posted by 管理人 at 2007年03月28日 22:28
 アメリカでは,医療機関で働くのに掃除のおばさんでもHCPもっていないとだめという話がありましたね.

 ハワイの救急車の会社に聞きましたが,ハワイの病院でもほとんどがHCPだそうです.一部の病院で赤十字の講習も認めているそうですが,非常に少ないとか.やはりAHAの存在感は大きいんですね.

 保育園や幼稚園などは職員全員が小児救命法の講習を受けるようにと連邦法で決まりましたが,その後はどうなったんでしょう?現実的に難しいとは思いますが,日本でもそうなって欲しいものです.
Posted by mimimi at 2007年03月30日 08:03
mimimiさん、引き続きこの拙いブログを見てくださっているんですね。感謝です。医療界にいて国際ガイドラインに注目している私としてはAHAの存在は非常に大きいものです。でも一般日本社会ではまだまだマイナーな存在。日本で社会的に評価を受けているのはやっぱり日本赤十字社の救急法救急員とか救急法指導員なんですよね。今となっては時代錯誤な感じはしますが、まあそれが現実。AHAの教育は医療従事者の間であれば相応の評価はありますが、日赤指導員のように自動車教習所で「医師に準ずるもの」と認定されて応急救護が免除されるなんてことは、、、難しいでしょうね。結局は英語の壁故に日本標準と世界標準にズレが生じるのは今後もかわらないのかも知れません。

スイマセン、なんだかテーマとはずれた話をとくとくと語ってしまいました。
Posted by 管理人 at 2007年03月31日 00:49
そういえばAHAのインストラクターは赤十字をライバル視していました。(当然と言えば当然ですが。。)
AHAのHCPだと2年更新で赤十字だと1年更新です。どちらの資格でもOKだといわれているのですが、結局AHAのほうが病院内で行われるし、開催日も多いのでAHAで取る人が多いのが 周りを見ていて感じたことです。
ところで、先日日本へ一時帰国した時に親戚の者にフィリピンからの看護師受け入れの話を訊いた所、そういうことが決まったことすら知らないと言われました。あまり広く知れ渡っていないのでしょうか?(それとも親戚のものが知らなかっただけかも。)
また、彼らの正直な意見として「フィリピン人には自分や家族を看護して欲しくない。」と言われました。
それが大方の日本人の意見だと思いますが、私は複雑な気持ちでした。
私はアメリカでそのフィリピン人の看護師の立場になろうとしているので・・・。
Posted by CRNA at 2007年03月31日 16:34
CRNAさん、アメリカだとCPRインストラクターって一種の職業なんですよね。AHAトレーニングセンターにしても複数が競合しているし、他の普及団体もたくさんひしめき合ってる。その中でいかにして顧客を取り込むか、そんな市場争いがあると聞きます。だからこそ各社がいろいろな教育手法を模索したり、健全な市場競争の中でいろいろな手法が開発されているんでしょうね。

AHAの運営マニュアルを見ると、赤十字のインストラクターからAHAにくら替えするためのクロスオーバー規定なども定められていておもしろかったです。

フィリピン看護師の受け容れの話は、なんだかよく分からないです。現場の必要と言うよりは経済的・外交的な理由なんですよね。現実に運用がはじまったらどうなるのか? あまりにフィリピン人看護婦さんたちにとって劣悪な条件なので、ホントに来る人がいるのか、いるとしたらどういうメリットを求めてくるのか。ウラとオモテが非常にはっきりしてそうで、あまり深入りしたくないなぁという気持ちです。

以前看護雑誌に連載していたアメリカで働いている日本人ナースのエッセイの中で見ましたが、「看護師に求めるものは?」という質問に対して日本人は、「優しくて気が利く看護婦さん」と答えるんだそうです。それに対してアメリカ人は「頭のいい看護師」という答えが多いとか。

ということで、日本人が求める看護師像からすると情緒面のくみ取りが難しいであろう外国人ナースの受け容れが難しいのは当然のことというか理解できます。

でも今後CRNAさんがアメリカで働く上ではきっと知識・技能でしっかりとしたものを示せば受け容れは難しくはないと思います。もともと移民国家ですしね。
Posted by 管理人 at 2007年04月01日 21:58
ACLS協会のBLSを受けてBLSインストに2年前になられている国語の先生もいます。偏った情報と偏った見方だけで偏った意見をかかれてもね・・・。
Posted by とおりすがり at 2007年08月08日 17:58
とおりすがりさん、市民インストラクター情報、ありがとうございました。初期に比べるとだいぶスタッフも充足してきたみたいですし、トレーニングサイト長の考えによるところも大きいみたいですね。

BLSを教えるのに時間単価が高い医師を使うのは非効率的ということが日本でも言われるようになってきているみたいです。今後は協会さんも市民インストラクターを増やしていくつもりなんでしょうかね?

偏った情報・偏った見方? ここは一個人の表現の場ですので、そのあたりはどうぞ自由にご判断ください。いずれにしても「アメリカ心臓協会日本支部」というあり得ないウソを堂々と名乗るよりは相当マシかとは思っていますが。
Posted by 管理人 at 2007年08月13日 22:24
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