2007年02月25日

英語で勉強すること

ここのところ、なんだか英語漬けの日々が続いています。
実は今度、医療従事者向けに一次救命処置を教えるアメリカ心臓協会 AHA の BLSインストラクター・コースを受講することが決まりまして、今そのために英語版のテキストを読み込んでいるところなんです。

もともとアメリカで生まれて、世界中に拡がっていったAHA の BLS(Basic life support) と ACLS(Advanced Cardiac Life Support) のコース。最近日本でもメジャーになってきました。受講生向けのプロバイダーマニュアルの旧版は日本語になりましたが、去年からはじまった新しいガイドライン2005コース用のマニュアルはまだ英語版のみ。

まあ、ガイドライン2005になって、手技もアルゴリズムもシンプルになりましたので正直テキストは読まなくてもぜんぜん大丈夫。G2005を受講した人は必ず英語版テキストを買っているはずですが、マジメに通読したという人はほとんどいないんじゃないかな(^^;

◆ AHAインストラクター、切っても切れない英語環境

そんなこんなではありますが、今度はAHA BLSインストラクターになろうというからには、さすがにそんなわけにはいかず、受講者からの質問に答えられるようになるためにもテキストはしっかり読み込んでおかなければ、ということで、英語版テキストに取り付いています。

幸い、先々月にAHA国際ガイドライン2005の原著は日本語訳されたので、そっちをしっかり読んでおけば、理解にはさほど問題はないのですが、でもやっぱり読むのには時間はかかってしまいます。BLS for Healthcare Provider G2005 は薄い本なんですけどね。今年中にはヘルスケアプロバイダー向けマニュアルの日本語版が出るということで、もうちょっと先延ばしにすれば英語の苦労は少しは軽減されるんでしょうけど、せっかく巡ってきたインストラクターコース受講の機会ですから、がんばろうと思います。

インストラクター向けのマニュアル、これも英語です。Instructor Manualに関しては日本語化の出版予定はないのだとか。。。AHAのインストラクターになる人は医師が中心なので、英語でも問題ないはずということなんでしょうね。市民向け のHeartsaver AED コース用のインストラクター・マニュアルに関しては日本語化という話も出ているそうです。

ということで、今後 American Heart Association(AHA)と関わっていく以上、5年毎にガイドラインと教育プログラムの改定があって、その度に英語教材に立ち返らないといけません。まあ、英語とは切っても切れない関係というのは宿命なのでしょう。

英語の文章というだけで、尻込みしてしまいがちですが、実は英語の論文とか実用書というのはかなり読みやすいです。ヘンに回りくどい言い方はしないし、言いたいことをズバッと伝えるという英語のシンプルさ全開ですので。分野ごとの専門用語はありますが、それさえクリアしてしまえば、たぶんハリーポッターを原著で読むよりは数段簡単だと思います。

◆ 英語を通して拡がる世界

ここで最近よく話題にしている大学教育の話にシフトさせてしまいますが、私が大学で学んでよかったなぁと思うのは英語についてです。はっきり言って高校まで学ぶ英語と大学での英語はぜんぜん別物だと思っています。

高校までの英語の勉強は英語を学ぶこと自体が目的になっています。しかし大学教育の中では、「英語を学ぶ」のではなく、「英語で学ぶ」というように考え方が切り替わってきます。専門分野に関する最新の文献を原著で読んで研究に役立てる。あくまでも英語はツールであって、情報源にアプローチするための手段に過ぎないというように意識がシフトされていくんですね。

必要があって英語を利用する、という発想がもてるようになるというか。私自身は英語の基礎だとか文法だとかはよく分かっていません。でも中学生時代に培った英語の基礎の基礎(語順だとか修飾の関係)なんかが頭に残っていれば、単語と単語をつなげて内容は理解できることに気付くようになりました。

学校英語しか知らないと、英文を読むときについ逐語訳したがりますが、それは大きな間違い。知っている単語だけを拾って意味を推察できればいいんです。そう考えると気が楽になって、英語を毛嫌いすることもなくなるんじゃないかな。

実際、英語のテキストに載っている物語なんかは読めなくても、例えばディズニーランドに行ったとき英語のパンフレットなんかを手に取ってみてください。たぶん内容は充分理解できるはず。そうやって手近なところから英文になれていくと、だんだん自信がついてきますよ。要は毛嫌いしているだけで、ふつうに中学・高校で英語を勉強していれば、本人は自覚していなくてもそれなりの英語の理解は身についているものですから。

例えばロシアを旅行中に「水」がほしかったらどうしましょう? 困っちゃいますよね。でも英語だったら、とりあえずwaterって言えませんか? それだけでもある意味、すごいことだと思いません? フランス語で、トイレどこ? とは言えませんが、英語ならなんとかなりそうでしょ?
なにかとコンプレックスばかり先に立つけど、平均的日本人は英語ができない、なんてことは決してないと私は思っています。(スイマセン、なんだか話がずれてきちゃいました)


医学界で重要な国際ガイドライン(心肺蘇生だったりとかCDCなど)の改定板は英語で発表されること多く、いまはインターネットのおかげでリアルタイムに情報を手に入れることができます。だからこそ英語に抵抗がないという点は意味を持ってくると思うんです。日本語訳をまっていたら平気で1年くらいの遅れを取ってしまいますからね。私自身、英語で発表された文献の内容をインターネットでいち早く日本語で伝える記事を書いたところ、業界で注目されて出版社から原稿依頼をいくつか頂いたなんて経験も実際にあります。

看護界では、英語の文献活用はまだあまりされていないように感じます。今後、学術畑に行きたいとか、学会等で名前を売りたいと思ったら、英語資料の活用をお勧めします。もうちょっとしたら看護界も他の理系学会並みに英語が浸透してくると思います。いまならまだ英語文献が情報源というだけで一歩先にいけますし希少性もあって、ねらい目ですよ(笑)

手術室関連でいうと、アメリカ周手術期看護協会(AORN:http://www.aorn.org/)のウェブサイトで、比較的新しい情報ソースを見ることができます。

もうひとつおまけの話ですが、英語で英語を勉強するというのも英語嫌いをなくすためのひとつの方法。私が使っていたのは English Grammar in Use という、たぶん知っている人は知っている超定番の英語自己学習書&問題集。最初、人からこれを薦められたときは、英語がわからないから勉強するのに、英語で英文法を理解するっていったいどういうこと? と疑問でしたが、例文がいっぱいで、誤解しやすいところはしつこいくらいに強調して書かれているので、意外なほどわかりやすかったです。下手に小難しい日本語の文法用語(仮定法過去だとか現在完了とか)がないぶん、かえってすんなり頭に入ってくるかんじ。英語で学ぶための入門書としてもいいと思います。
posted by Metzenbaum at 12:16 | Comment(5) | TrackBack(0) | 看護師スキルアップ
この記事へのコメント
こんにちわ。

もしかして、一端理系の大学を出られてから、
看護学校に入りなおされたのですか??

7年程前は、New England Journal of MedicineとかLancetとか
の論文をPubMedで引っ張って、原著で結構読んでましたが、
最近はトンとご無沙汰しております。

仕事で少しずつ海外(アメリカ)の見聞を
学ぶ機会も増えてくると予想されるので、
自分も久々さび付いた英語力を磨きなおさないと・・・(笑)
Posted by shisley at 2007年02月25日 15:16
shisleyさん、こんにちは。
看護学士関連の記事の中では何度か触れていますが、おっしゃるとおり私は一般大学を出てから看護専門学校に入ったクチです。

学校英語は大嫌いですが、必要に迫られてなんとなく英語は使っていたので、毛嫌いすることなくなんとなく使えているかなぁという感じです。今後のことを考えるともっと勉強しなくちゃなぁとは思っているのですが。。
Posted by 管理人 at 2007年02月25日 15:45
こんにちわ。

私も就職してから6英語の勉強?をはじめました。
最初は、ただの趣味だったのですが。

最近、手術を受けられる患者さんにも海外の方も増えてきて・・・。
何か役に立てればと、医学用語もたまに見たり、言い回しを考えてます。
手術室NS用の教材で何かお勧めはありますか?

AHAインストラクター頑張ってください。
当院でも1回/2ヶ月くらいかな!?
ACLSコース開催しています。
Posted by ciel at 2007年02月26日 20:23
いつもブログ楽しく読ませてもらっています。
管理人さんに質問なんですが、
管理人さんは大卒で英語の医学書も読めるのにどうして放送大学に入ろうと思ったのですか?大学院の方が専門分野を深く勉強できると思うのですが…。
大学院ではなくあえて大学を選んだのには何か理由があるのですか?
Posted by 雅 at 2007年02月28日 22:25
cielさん、オペ室看護で使えそうな言い回し集ですが、ナース向けの医療英語の本だと、オペ室での場面はあんまりのってないんですよね。以前に麻酔科医用の会話集で良さそうなのがあったのですが、タイトル等はわかりません。またちょっと意識して探すようにしてみますね。

cielさんの病院ではAHAの公式コースを開催しているんですか?
きっと熱心な先生がいらっしゃるんですね。うちの病院は急性期病院で災害拠点病院なのになんとなく意識は低いような....研修医の先生方は「常識」として心得はあるようなんですけど。。。

雅さん、はじめまして。
ご質問の件ですが、あまり建設的な理由がなくて恐縮なのですが...
放送大学というよりは、学位授与機構での学士取得に興味があったというだけなんですよ。なんとなく「裏技」っぽくておもしろそうじゃないですか。放送大学を利用すれば経費的にも時間的にもリスクがほとんどなくて、気軽に取り組めるという点も大きかったかな。

修士課程で取り組みたい課題もあるのですが、それはもうちょっと落ち着いてからかなぁと思ってます。人生長いですから(笑)
Posted by 管理人 at 2007年03月01日 21:13
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