2012年09月22日

現場教育に厳しさは必要?

オペ室内で「職場環境を良くしよう!」というアンケート調査を行いました。

管理職に相談した上で、きちんと組織だった形でやったらきっとスタッフの本音はでないだろうと思ったので、私が個人的に部署内カンファレンスで全員に持ちかけて、匿名性を死守するということで自由記載で意見をもらいました。

結果、赤裸々な意見が噴出。どうやってそれを公開するか、悩みに悩んで体重が2キロ増えてしまったくらい。で、それを元に、みんなで共有すべき問題を抽出、改善策を考えるということをやってみました。

そんな取り組みの中から、どこの職場でもあるような当たり障りのない部分を幾つかをご紹介しょうと思います。


「後輩指導が厳しすぎる。やり方が陰湿でイジメみたいな場面が見受けられる」という指摘

まあ、どの職場でも似たようなことはあると思います。指導する側としては、相手のことを思ってやっている愛情なんだ、という言い方をよくします。今回の意見交換の中でもやはり上からそのような意見がでました。

この問題で、よく言われるのは、仕事している以上、厳しくて当たり前、とか、最近の新人は生ぬるい。ちょっというとすぐに仕事に来なくなる、とか言われることもあります。

そして当の指導される側としては、辛く思い悩んでいるという事実。

このあたり、皆さん、どう考えますか?

どうも、私は体育会系にありがちな「シゴキ」のような負のスパイラルを感じてしまうんですよね。

on the job trainingは、「ひとりで業務をこなせるようになる」のが目的であって、それ以上でもそれ以下でもないのでは?

新人指導は効率よく「できるようになってもらう」ことに主眼を置くべきで、そこに「社会の厳しさを教えてやる」的なものって必要? と思うのです。

"しつけ"までしてやるって言われたら、私だったら「余計なお世話です!」っていうだろうな。



指導に厳しさは必要か?

自分たちがそうやって育ってきたら、そういうものだと思い込んでいて疑わないのだと思いますが、厳しさという名目で、新人さんたちを気持ち的に追い込むことは教育的に見てプラスなのかどうか?

諸先輩方はよく言います。あの時厳しくしてもらってよかったと今は思っていると。

そう言われてしまったら、下の子たちは何も言えなくなります。その言葉をもって、若い子たちは耐え忍ぶわけですけど、よくよく考えたら、それって単なるコーピングの一種なんじゃないかと思うんですけど、どうです? みなさん。

人間ってうまくできていて、嫌な思い出は忘れてしまうか、美化していい思い出にすり替えることで心を守る働きがあります。

あの時は辛くて辛くて死にたかったくらいだけど、今になったらいい思い出です、的な。

ホントはつらい思い出しか残っていないけど、心が耐えられないから、よかったものだと思い込む。ホントに厳しくされてよかったんですかね? イジメられるのが好きな嗜好の方もいるかもしれませんけど。

そんな先輩の言葉って、真に受けちゃいけないよなと私は思ってしまうのです。

後輩への厳しい指導に関して、あれこれ意見が出る中で、私はこんな話をしてみました。

それがみんなにどう届くかはわかりませんが、少なくとも厳しい指導は厳しい指導で意味があるという上から下への一方的な意見だけではない、ということが伝われば。

本人のために良かれと思ってやってあげたことでも、本人がそれで苦痛を感じるって教育的にどうなんでしょうね。極端な話、それで人を殺したという事件もあったわけです。相撲部屋の「可愛がり」事件とか。本人は正義のつもりでやっていても、結果的にそれは人を傷つけるだけだったり、正義に名を借りたイジメだったり。

教育も、経験や伝統ではなく、きちんと科学に根ざしたやり方も知っておきたいですね。それとなにより、目的を明確にすること!


posted by Metzenbaum at 08:03 | Comment(6) | TrackBack(0) | 手術室の話 [ 雑談 ]
この記事へのコメント
前回のコメントありがとうございました。

 管理人さんの職場は今手術室ですか?手術室看護師はとても専門性が重視され、人も病棟よりも少ないもしくは同じ。またミスは許されない場所。なのでそれなりの厳しさは必要と思います。待機などになれば限られた人数でこなしていかなければなりません。なので早く一人前になってほしいという所も多くあると思います。
 「ロッキー」という映画を知っていますか?自分の体をいじめていじめて鍛え、強くなってボクシングのチャンピオンになるという映画ですが、職場にその「不屈の闘志」みたいなものを持っている人がいるかということではないかと思います。つまり「こころざし」ですね。
 そういう志が弱い人はやっぱりすぐにやめたり、よく休んだりするのだと思います。「人生楽ありゃ苦もあるさ」という歌があるように、苦労を嫌がる人があなたを悩ませているのではないでしょうか。
Posted by Nsマン at 2012年09月23日 00:26
Nsマンさん。まあ、よく言えばミスの許されない職場ですが、それはこの業界、どこでも変わらない気が、、、むしろ医師不在の病棟の方が危機意識は強いんじゃないかという気もします。(オペ室は基本、麻酔科医や執刀医がいる場での仕事ですから)

おっしゃるとおり、志という点では大きな問題をはらんでいます、手術室は。というのは希望してくる人がほとんど居ない現状。だいたいみんな「オペ室にとばされた」という不本意な思いでやってきます。

最近は、テレビドラマの影響か最初からオペ室を希望する人もチラホラと見受けられるようになりましたが、基本、みんな病棟に出させてもらうまでの"つなぎ"という思いはあるようです。

手術室看護の本質を理解しないまま終わる人が多い中、モチベーションが高くないのは事実です。それは上の人でもけっこう変わらない感じ。いつまでも「病棟では…」という人も少なくありませんし。

厳しさが萎縮やコミュニケーションの破綻を産み、事故につながるという現状も現実にあります。そこがむしろ今は問題かなと思っております。
Posted by 管理人 at 2012年09月23日 00:45
とても難しい内容ですね。
私自信もいじめじゃないかと思うようなことに遭遇しました。
わからない事はもちろんですが、自信がないときに確認すらできない職場の人間関係って・・・。
いのちにかかわる現場だからこそ、聞いてくれてありがとうと言える先輩たちの余裕が欲しいです。

被害者の救済に目が向けられる対策は沢山目にしますが、加害者と言われてもおかしくない人たちには何も講じる策がないというのもなんだかおかしい気がします。

管理人さんほど立派な意見じゃなくてただ感じたままでお恥ずかしいですが、看護師だけではなくって他の職種のひとにも気持ちよく仕事をしていただける職場づくりを心掛けたいと常に思って仕事をしています。

Posted by mimimama at 2012年09月25日 14:31
まさに今、そのような状況下にあるローテーターの一人です。記事読んで、ウチの病院の事かと思いました。
毎日が辛くてたまらないです。
うちのオペ室には今年、新人2人と少し遅れて異動者が3人、配属されました。異動者は3人とも病棟・外来経験が10〜20年あるんですが、オペ室は初めて。右も左もわからず全くの新人同様です。出来なくて当たり前と言われても、やはり動けない、分からない事は本人にとっても非常に辛いです。そこへ必要以上のプレッシャーを与えるのはミスを誘発します。落ち込むローテーター(新人)、イライラピリピリしている指導者、私達は「北○鮮のようだ。」と言ってますが。更衣室で泣いていると先輩方は「今はまだマシよ。」「私達の頃はもっとひどかった。」「毎日泣いていた。でもその頃があるから、今は感謝している。」と。

肝心のモチベーションですが、配属された当初はショックでした。でもオペ室でしか学べない事はたくさん有るわけで、これはチャンスなんだと考え、本も買い込み一生懸命やろうとしていました。しかし覚える事は山のようにあり、毎日の業務に追われ職場の雰囲気も悪い中で
新人1人は休職、残りの4人もメンタルをやられて色々な身体症状が出ています。どうやってモチベーションを上げられるというのか。
指導する側も大変で、プリセプターも身体を壊しています。

あまりにもみんなが倒れるのでドクターが「オペ室ナースには特別手当を出して他部署より給料を貰わないと、やってられないね。」と洩らしていました。本当にその通りだと思います。

職場の雰囲気を良くする。業務が大変とか忙しいのは何とか乗り切れるんです。みんなで協力して頑張ろうというムードがあれば。

Posted by けいぴん at 2012年10月11日 10:51
14年目、オペ室移動して1年目のぶーです。
外科を経験し、今に至ります。
指導が厳しいのは、しょうがないなぁとは思います。
でも、女性独特のいじめや嫌がらせはどうなのかなぁと思います。
私自身も、「分からないから教えて下さい。」と聞いても、「私がなぜあなたに教えなきゃいけないの?」と言われたり、見たことはあったけど、組み立てるのは初めてだった器械があったので教えて下さいって聞いたら、「見たら出来るでしょ。分からないなら適当に作れば。」と言われたこともあります。
仕事は嫌ではないんですけど、人間関係に嫌気がさします。
せっかくオペ室に移動になったんだから、学ぶべきことは、学びたいと思うんですけど…
心が折れそうです。
ちなみに、いじめがひどくて3年で7人中6人が辞めたり、移動しました。
Posted by ぶーちゃん at 2012年10月21日 20:54
オーストラリアで希望して手術室の看護師になりました。
日本では外科病棟の看護師をしていました。

日本で新人の時はそれなりに厳しい指導を受けてきました。指導者は自分のレベルで新人に質問しているのが、間違えのもとだと思います。

こちら、オーストラリアでは陰湿な指導方法はありません。
指導期間が2週間と短いので、親切に教えてくれます。
お国柄か基本、指導される側はどんな変な質問でも質問することが意欲的、積極的に仕事に望んでいるとされます。
指導者側も、その質問にすべて答えられることで知識と経験があることが証明できるのです。
なので、そんなの学校で習ったでしょ。などの回答はありません。そんな回答をすると指導者側がその質問の答えが分からないとみなされます。

2週間で独り立ちなので、3−6ヶ月過ぎてもそれなりに仕事をこなせなかったら、日本みたいにプリセプターを長めにつけるとか、独り立ちを延期するとかという方針はなく、解雇の可能性があるので早く覚えないといけません。

でも、専門性が高いのでいろいろなことを一度に覚えなくていいのも利点だと思います。もちろん、麻酔科の看護師、テクニシャンと直介と間介の看護師は別の部署になってます。直介のなかでも各科で専門性に分かれて、各科にCN(クリニカルナース)がいて、彼女達はそれだけを専門としてるので、中堅の医師以上の経験と知識があります。

手術室は奥が深いですよね。手術室で6年目になりましたが、日々勉強で飽きません。

日本の看護教育もいいほうに変わって欲しいです。
Posted by Shinobu at 2012年11月09日 23:20
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