2006年04月02日

オペナース:器械出しに役立つ参考書 『外科手術基本テクニック』

次回はハサミ(剪刀)の話をします、なんて予告しておきながら、ネタ変更。
今回は、新人オペ室ナースなら読んでおきたい器械出し(昔で言う直接介助:直介ってヤツ)に必要な手術器械(手術器具)の基礎知識が学べる参考書を二冊紹介したいと思います。

今年もあと数日したら新人オペ室ナースが職場に配属になりますが、いつも私が彼女たちに勧めている本です。

イラストでわかる外科手術基本テクニック          
カラーイラストでみる外科手術の基本―ILLUSTRATED BASIC SURGERY


【イラストでわかる外科手術基本テクニック】

ひとつは「イラストでわかる外科手術基本テクニック」。おそらく研修医など医師向けに書かれた参考書だと思いますが、外科手術に使う器具の由来から使い方、縫合糸や結紮の基礎、各種ドレインやバルーンカテーテル、尿道ステントなど外科手術に関わる器具・医療材料、テクニックなどの基礎知識が幅広く解説されています。手術器具の歴史なども触れられていて、雑学的にもおもしろいです。「へぇ〜」がいっぱい詰まっているというか(笑)

この本は私物なんですが、手術室の本棚に置いておくと、外科系の医師たちがオペの入れ替え待ちのときに熱心に熟読している場面がよく見られます。医師にとっても役立つそうで、ドクターからお礼を言われちゃいました。医家向けで、ちょっと値段が高いのがネックですけど、かなりお薦め。個人で買わないとしても、手術室の共同図書として、また病院図書室には是非おいておきたい良書です。

【カラーイラストでみる外科手術の基本】

もう一冊は、「カラーイラストでみる外科手術の基本―ILLUSTRATED BASIC SURGERY」。

これも主に研修医向けに外科手術の基本手技を解説したテキストで、内容的には「イラストでわかる外科手術基本テクニック」とかぶるところがありますが、こちらは訳書ではなく日本人医師が執筆しています。イラスト・写真が多くナース向きとしてはこっちの方がとっつきがいいかも知れません。

カラーイラストでみる外科手術の基本」のいいところは、内容が新しく、現在の日本の手術室事情にマッチしている点。外科手術の基礎ともいうべき手縫いによる腸管吻合(端端吻合、側端吻合とかね)の詳しい図入り解説からはじまり、現在主流の自動吻合器(CDHとか)の仕組み、バイクリル等の現在のオペで実際に使われている縫合糸のこと、スキンステイプラーの仕組み、電気メス、各手術器械の取り扱いなど、写真と図入りでわかりやすく説明されています。

さらに嬉しいことに、載石位、側臥位などの特殊なオペ体位時の神経麻痺などの注意点や、「ハンドシグナル」 ― 医者がこういう手つきをしたら何をほしいと言っているのか、なんてことまで書かれています。

あと「基本的な手術」ということで、開腹・閉腹の基本、胃空腸吻合、虫垂切除、鼠径ヘルニア、腹腔鏡下胆嚢摘出の手術手技書的な手順まで触れられています。手術室看護師なら知っておきたいことをとにかく詰め込んだ感じ。

どちらか一冊と言われたら、総合的には「カラーイラストでみる外科手術の基本」の方がオススメですね。

よりマニアックに手術器械を究めたいと思ったら、前者の「イラストでわかる外科手術基本テクニック」かな。

手術室一年生の皆さんも職場に入ったらいろいろと参考図書は薦められると思いますが、もしかしたら看護師向けに書かれたマンガチックなイラストが描かれた本が中心なんじゃないでしょうか?

手術室看護に限ったことではありませんが、どうして看護師向けの参考書というのはあんなにも絵本のようなものが多いんでしょうね。

まあ、女性が中心ということで取っつきやすさをモットーとしているんでしょうけど、専門職向けの解説本としてはチト恥ずかしいのでは? というのが率直な印象です。「マンガで学ぶ○○」とか、多いですよね。まあ、身につけばなんでもいんですけどね。

ということで、きちんと学びたい人は、下手なナース向け書籍よりは、医師・研修医向けの本をあたってみることをお薦めします。
posted by Metzenbaum at 00:30 | Comment(10) | TrackBack(0) | 器械出し/直接介助(直介)
この記事へのコメント
循環器専門の病院に移ったばかりのものです。オペ室に配属になりICUでしばらく循環器の勉強をしてからオペ室に移りました。心臓外科中心の本で今回紹介されているような本はあるのでしょうか
Posted by ともなか at 2006年06月05日 23:34
心外中心の参考書ということですが、心外手術そのものがすでに応用編みたいなものですから、1冊ですべてというのはちょっと難しい気がします。オペ室が初めて、ということであれば、やはり外科手術の基本を押えた上で、心外の専門分野の勉強を進めていくというパターンが王道かと思います。

私の知るかぎり、心外手術の基本を勉強するのにお薦めなのは、雑誌ope nursingの別冊で何年か前に出版された心外手術マニュアルみたいな本。たぶん今も流通しているはず。今晩帰宅したらまた調べて書名なんかをここにアップしますね。

ただ、それ一冊だけだと、ホント外科手術一般がわかった人向けに心外のみを専門に書かれているので、最初に読む本としてはちょっと難しいかも、です。

[追記] 署名、調べました。オペナーシング 2001年秋季増刊号で、"New心臓血管外科手術マニュアル"(高本真一 他)です。心外手術の本としては、私の知るかぎりいちばんのお薦めです。出版年がちょっと古いですけど、また普通に本屋に流通しているようです。
Posted by 管理人 at 2006年06月06日 07:27
コメントをいただきありがとうございます。先輩にも聞きましたが、心外だけの本というのはないみたいでした。先輩がここで紹介している「カラーイラストでみる外科手術の基本」を購入するそうでそれをみせてくれるそうです。追記で紹介してくれた本もさがしてみます。でも昔の記事に書き込みをしたので返信してくれるとはおもってなかったのでうれしかったです。
Posted by ともなか at 2006年06月23日 22:39
心外専門の手術室であれば「New心臓血管外科手術マニュアル」、病棟図書としておいてある可能性、大ですよ。先輩に聞いてみてください。たぶん、これ以上のナース向け心外手術参考書はないと思いますので。古い本で絶版の可能性もありますので、近場の書店で取り寄せ注文を掛けた方がいいかもしれません。
Posted by 管理人 at 2006年06月24日 17:35
OPで使われる医療材料(主にディスポ品)について詳しく書かれてる本があれば紹介して下さい。
Posted by マンボー at 2006年06月30日 00:29
マンボーさん、はじめまして。
ディスポ品について詳しく、ということですがディスポ製品のなにが知りたいんでしょうか?
いまはちょっと思い当たるものがなにもありません。強いていうなら取り扱い店から職場に配布される医療用品カタログがいちばんかなぁという気がするのですが、、、
Posted by 管理人 at 2006年06月30日 07:57
マンボーさん、参考になるかどうかわかりませんが、雑誌「オペナーシング」のバックナンバーで、「シングルユースとマルチユース」というディスポや再生品に関する特集記事がありましたよ。2003年12月号です。
Posted by 管理人 at 2006年07月01日 01:31
ありがとうございます。
参考にさせてもえらいます。
Posted by マンボー at 2006年07月01日 17:11
初めまして。最近オペ室配属になり、オペナース向けの専門書を探しています。「カラーイラストでみる外科手術の基本」を購入しようと思っているのですが、2004年出版とのこと。もし、もっと最近のものがありましたら教えていただきたく、よろしくお願いいたします。
Posted by うめ at 2012年01月08日 17:56
拙著を宣伝していただいてありがとうございます。「まんがで学ぶ・・・」的な本もありますので、よかったらご笑読ください。しもつま。
Posted by カラーイラスト・・・の著者 at 2012年02月16日 14:32
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